3章4節 弁証学 - Apologetics -BibleStyle.com初版 2008年6月8日 弁証学は、教義学や信条学、倫理学の成果に基づいて、教会内における異なる考えや、聖書に基づかない哲学思想、他宗教に対して、キリスト教世界観を弁証・擁護するための理論と方法に関する分野です。主な論点として、「神の存在の証明」「死後の世界」「世の終わり」などがあります。
ところで、今、弁証学を「教義学から弁証学へ」というように説明しましたが、分類の位置づけとしては、異なる見解も有力です。弁証学を教義形成の前提として扱ったり(弁証学から教義学へ)、独立した部門ではなく論証方法として教義学のなかで序論的に扱う(教義学に弁証学を含める)場合も多いようです。
他方、弁証学自体を認めない見解もあります。カール・バルトは次のように述べ、弁証学を警戒していました。「罪のうちにある人間は完全に堕落しており、自然的理性によって神を知ることができなくなっているのだから、理性に訴える論証をしても意味がなく、むしろ、『神のことばの啓示によらなくても理性によって神に到達しうる』という危険な思想を招くおそれがある」 |