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1章5節 聖書学の参考文献
BibleStyle.com
最新版 2009年6月9日 初版 2008年4月6日
【目次】
1. Webサイト
2. 辞典類・雑誌
3. 聖書緒論
4. 釈義と解釈
5. 聖書神学
6. 辞典類の項目
【はじめに】
書店にない文献は、GeNiiや、国立国会図書館のリサーチ・ナビなどでお探しください。
最寄りのキリスト教主義学校の図書館や、公立の図書館などを利用するのもよいと思います。
その図書館になくても、他館の文献を取り寄せるサービスをしている図書館が多いです。
新刊チェックには、教文館の「新刊情報」や、クリスチャン新聞の「今週の本棚」が便利です。
なお、「神学文献大調査」というサイトにも充実した文献表があります。
1. Webサイト
【1】 諸言語の聖書
2. 辞典類・雑誌
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樋口進:監修/中野実:監修 『聖書学用語辞典』 日本キリスト教団出版局 2008年
約400頁で600項目を扱い、手軽で簡単な調べものに適しています(個々の情報量はコンパクト)。概説書のように通読すると、現在の聖書学のおおよその見解を知ることができます。
ただし、主イエスの復活を史実としては認めないなど、一部の記述には同意しかねます。
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『聖書釈義研究』 聖書釈義研究会 年刊
福音主義に立脚した聖書釈義の研究会による論文集です。
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『聖書学論集』 日本聖書学研究所 年刊
同研究所の例会における発表・討議をもとにした、旧新約学関係の論文を収録しています。
3. 聖書緒論
【1】 時代史や地理
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ヘルマン/クライバー/樋口進:訳 『よくわかるイスラエル史』 教文館 2003年
(原著:Siegfried Herrmann / Walter Klaiber, Die Geschichte Israels, 1962)
ドイツ聖書協会のパンフレット的な双書で、手軽に旧約聖書の歴史を把握するのに便利です。
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スコット/井上誠:訳 『中間時代のユダヤ世界』 いのちのことば社 2007年
(原著:J. Julius Scott, Jr., Jewish Backgrounds of the New Testament, 1995)
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月本昭男:編/小林稔:編 『聖書の風土・歴史・社会』(現代聖書講座 第1巻)
日本キリスト教団出版局 1996年
地理や歴史など、聖書の時代背景についての論文集です。
【2】 正典論や本文論
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ペリカン/佐柳文男:訳 『聖書は誰のものか?』 教文館 2006年
(原著:Jaroslav Pelikan, Whose Bible Is It?, 2005)
ペリカン晩年の書で、数十年前の叔母の素朴な問い「あんた、聖書をどう思ってるのか教えて」から生まれたとのことです。「聖書」と言っても、ユダヤ教・カトリック・プロテスタントでそれぞれ違う(新約の有無や外典の有無など)ということから始めて、「聖書とその解釈の歴史」(副題)について語っていきます。
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サンダース/佐藤陽二:訳 『正典としての旧約聖書』 教文館 1984年
(原著:James A. Sanders, Torah and Canon, 1972)
なお、原書では第2版(2005年)が出ています。
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ギャンブル/宇都宮秀和:訳 『新約聖書正典』 教文館 1988年
(原著:Harry Y. Gamble, The New Testament canon, 1985)
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ヴュルトヴァイン/鍋谷堯爾:訳/本間敏雄:訳
『旧約聖書の本文研究』 日本キリスト教団出版局 1997年
(原著:Ernst Würthwein, Der Text des Alten Testaments, 5.Aufl., 1988)
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メツガー/橋本滋男:訳 『新約聖書の本文研究』 日本キリスト教団出版局 1999年
(原著:Bruce Manning Metzger, The Text of the New Testament, 3rd ed., 1992)
なお、原書では第4版(2005年)が最終版です。
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木幡藤子:編/青野太潮:編 『聖書学の方法と諸問題』(現代聖書講座 第2巻)
日本キリスト教団出版局 1996年
聖書批評学の方法論などについての論文集です。
4. 釈義と解釈
【1】 聖書解釈
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榊原康夫 『聖書読解術』 いのちのことば社 1970年
信徒対象の夜間聖書講座を本にしたもので、理論と実践がわかりやすく説明されています。
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ラム/村瀬俊夫:訳 『聖書解釈学概論』 聖書図書刊行会 1963年
(原著:Bernard Ramm, Protestant Biblical Interpretation, 2nd ed., 1956)
邦訳の副題「聖書解釈の諸問題の総括的研究」が内容を要約しており、原書の副題「A textbook of hermeneutics for conservative protestants」が福音主義に立脚していることを表明しています。古いですが聖書解釈学の体系書として今も十分に有用です。なお、原書では第3版(1970年)が最終版です。
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シュトゥールマッハー/斎藤忠資:訳 『新約聖書解釈学』 日本キリスト教団出版局 1984年
(原著:Peter Stuhlmacher, Vom Verstehen des Neuen Testaments Eine Hermeneutik, 2.Aufl., 1979)
NTD注解シリーズの補遺第6巻です。正典論、聖書の霊感説について述べた後、聖書解釈の歴史を辿るように論を進め、最後に、キリストにおける和解の福音を証しすることが教会の働きであることを確認し、その教会に保持と証言を任せられた聖書の解釈もその視点からなされるべきと述べて結びます。
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出村彰:編/宮谷宣史:編 『聖書解釈の歴史 新約聖書から宗教改革まで』 1986年
木田献一/高橋敬基 『同上 宗教改革から現代まで』 日本キリスト教団出版局 1999年
【2】 聖書釈義
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フィー/永田竹司:訳 『新約聖書の釈義』 教文館 1998年
(原著:Gordon D. Fee, New Testament Exegesis, 2nd ed., 1993)
神学校での講義ノートを本にした感じです。なお、原書では第3版(2002年)が出ています。
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バルト/シュテック/山我哲雄:訳 『旧約聖書釈義入門』 日本キリスト教団出版局 1984年
(原著:Hermann Barth / Odil Hannes Steck, Exegese des Alten Testaments, 9.Aufl., 1977)
古い本ですが、キリスト教主義の大学図書館などにあります。
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ヘブライ(ヘブル)語、ギリシャ語に関する書籍は、後日順次紹介していきます。
5. 聖書神学
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北森嘉蔵 『聖書百話』 講談社学術文庫 2002年(初出1964年)
『神の痛みの神学』で有名な北森博士による小書です。罪人に注がれる「神の愛」と、罪人に対する「神の怒り」、そして相対立する「愛」と「怒り」のジレンマから生じる「神の痛み」(参照:創世記6章6節など)という思想が、全編の根底に流れています。1話に1つのテーマ聖句を見開き2ページで解説し、全100話を教理体系の構成でまとめています。聖霊の章(59~67話)の三位一体論の表現(聖霊がイエスの霊魂のような二位一体的な描き方)など、同意しかねる記述もありますが、簡にして要を得た日本語は、翻訳物の神学書に辟易していた者を癒します。
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木田献一:編/荒井献:編 『聖書の思想と現代』(現代聖書講座 第3巻)
日本キリスト教団出版局 1996年
今の社会に問いかける聖書の思想や使信について、「聖書神学」の観点から考えた論文集です。
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聖書神学に関連する書籍は多数ありますので、後日順次紹介していきます。
6. 辞典類の項目
『新キリスト教辞典』(いのちのことば社、1991年)の項目より
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「聖書学」 700~701頁 山口昇
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「聖書の正典」 736~738頁 榊原康夫
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「外典と偽典」 121~124頁 千代崎秀雄
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「聖書と伝承」 727~728頁 服部嘉明
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「聖書本文(旧約)」 752~755頁 松本任弘
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「聖書本文(新約)」 755~757頁 石丸新
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「聖書写本」 714~719頁 松本任弘
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「聖書の言語」 730~735頁 松本任弘
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「聖書考古学」 701~707頁 杉本智俊
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「イスラエル」 56~60頁 富井悠夫
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「聖書批評学(旧約)」 746~749頁 富井悠夫
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「聖書批評学(新約)」 749~752頁 内田和彦
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「史的イエスの新しい探究」 501~503頁 宇田進
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「黙示文学」 1174~1177頁 津村春英
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「聖書釈義」 710~713頁 榊原康夫
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「聖書解釈学」 697~700頁 内田和彦
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「新解釈学」 593~594頁 西満
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「信仰の類比」 627~628頁 橋本龍三
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「イエスのたとえ」 41~43頁 山口昇
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「予型、予型論」 1200~1201頁 清水武夫
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「非神話化論」 1064~1065頁 山下正雄
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「聖書神学」 720~724頁 山口昇
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「旧約神学」 232~236頁 舟喜信
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「新約神学」 643~648頁 石丸新
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「聖書神学運動」 724~727頁 清水武夫
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「救済史」 229~230頁 富井悠夫
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「神の国、天の御国、キリストの王国」 157~164頁 山口昇
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「選び」 102~105頁 矢内昭二
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「十のことば」 937~942頁 木内伸嘉
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「律法」 1223~1226頁 石黒則年
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「預言、預言者」 1201~1204頁 服部嘉明
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「聖書時代の祭」 707~710頁 田辺滋
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「安息日」 36~37頁 木内伸嘉
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「いけにえとささげ物」 46~51頁 木内伸嘉
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「復活」 1091~1095頁 山下正雄
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「義」 214~216頁 富井悠夫
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「義認」 219~225頁 橋本昭夫
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「信仰」 613~617頁 松田一男
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「希望」 226~227頁 中沢啓介
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「愛」 1~5頁 富井悠夫
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「救い」 656~658頁 小山田格
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「福音」 1072~1075頁 山口昇
『新聖書辞典』(いのちのことば社、1985年)の項目より
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「旧約聖書」 373~374頁
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「新約聖書」 662~663頁 石丸新
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「聖書の正典(旧約)」 718~723頁 西満
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「聖書の正典(新約)」 723~725頁 内田和彦
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「外典」 269~279頁 榊原康夫
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「偽典」 363~365頁 榊原康夫
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「使徒教父文書」 546~550頁 榊原康夫
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「タルムード」 813~815頁 清水武夫
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「マソラ」 1176~1179頁 本間敏雄
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「聖書の本文(旧約)」 725~728頁 鍋谷堯爾
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「聖書の本文(新約)」 728~730頁 内田和彦
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「書物と筆記具」 629~634頁 小山田格
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「聖書の言語」 707~715頁 村岡崇光
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「聖書の古代訳」 715~718頁 榊原康夫
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「聖書の翻訳」 730~736頁 本間正巳
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「聖書考古学」 689~696頁 松本任弘
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「イスラエル」 116~137頁 松本任弘
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「聖書解釈」 686~689頁 島田福安
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「たとえ」 791~794頁 瀬尾要造
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「聖書神学」 696~703頁 舟喜信
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「神の国」 327~331頁 宮村武夫
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「選び」 212~213頁 伊藤淑美
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「契約」 429~430頁 泥谷逸郎
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「十のことば」 884~887頁 富井悠夫
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「律法」 1360~1363頁 渋谷敬一
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「祭り」 1188~1192頁 森文彦
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「安息日」 88~89頁 丹羽喬
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「いけにえとささげ物」 101~106頁 森文彦
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「メシヤ」 1241~1242頁 富井悠夫
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「復活」 1076~1078頁 伊藤淑美
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「義」 350~352頁 佐布正義
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「義認」 366~367頁 松田一男
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「愛」 3~4頁 窪寺俊之
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「救い」 667~669頁 藤井力
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「永遠のいのち」 168~169頁 田村幸三
『新実用聖書注解』(いのちのことば社、2008年〔新装版〕)の項目より
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「旧約聖書」 45~56頁 富井悠夫
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「新約聖書」 57~75頁 山口昇
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「聖書の正典と外典」 25~44頁 榊原康夫
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「聖書の本文と解釈」 76~95頁 鍋谷堯爾
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「聖書地理」 96~116頁 西満
『キリスト教大事典』(教文館、1968年〔改訂版〕)の項目より
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「聖書」 614~615頁 船水衛司
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「旧約聖書」 267~268頁 相浦忠雄
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「新約聖書」 581~582頁 村田四郎
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「聖書学」 617頁
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「旧約聖書学」 268~270頁 船水衛司
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「新約聖書学」 582~583頁 竹森満佐一
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「聖書正典」 622~623頁 手塚儀一郎
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「アンティレゴメナ」 58頁 蛭沼寿雄
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「外典と偽典」 196~197頁 興梠正敏
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「聖書写本」 621頁 十時英二
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「死海文書」 465~466頁 左近義慈
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「古代語訳聖書」 416~417頁 高橋虔
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「イスラエル史」 78~79頁 船水衛司
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「イスラエル宗教史」 79~81頁 船水衛司
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「救済史」 265頁 山本和
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「新約時代史」 580頁 山谷省吾
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「聖書批評学」 625頁 手塚儀一郎
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「信仰と歴史」 566頁 佐藤敏夫
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「様式史的研究」 1093頁 山谷省吾
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「イエス・キリスト」 65~66頁 松木治三郎
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「イエスの譬話」 68頁 竹森満佐一
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「イエス伝研究」 66~67頁 高柳伊三郎
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「共観福音書問題」 288~289頁 高柳伊三郎
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「ヨハネの神学」 1103頁 竹森満佐一
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「黙示文学」 1060頁 新見宏
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「聖書解釈学」 616~617頁 熊野義孝
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「解釈学」 193~194頁 中川秀恭
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「非神話化」 868頁 中川秀恭
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「予型論的解釈」 1094~1095頁
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「神の国」 222~224頁 山谷省吾
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「選び」 162頁 浅野順一
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「契約」 375~376頁 山崎亨
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「十戒」 476~477頁 関根正雄
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「律法」 1132~1133頁 船水衛司
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「メシア」 1048~1049頁 興梠正敏
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「復活」 908~909頁 竹森満佐一/北森嘉蔵
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「義」 251~252頁 北森嘉蔵
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「義認」 258~259頁 北森嘉蔵
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「信仰」 563~564頁 菅円吉
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「希望」 261~262頁 岡田五作
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「愛」 1頁 北森嘉蔵
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「福音」 900~901頁 桑田秀延
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「律法と福音」 1133頁 桑田秀延
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「ケリュグマ」 385頁 田島信之
『新聖書大辞典』(キリスト新聞社、1971年)の項目より
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「聖書」 766~768頁
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「聖書の正典」 802~809頁 渡辺善太
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「聖書の本文(旧約)」 810~811頁 左近淑
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「聖書の本文(新約)」 811~814頁 蛭沼寿雄
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「聖書の言語(旧約)」 788~796頁 関根正雄
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「聖書の言語(新約)」 796~797頁 中村和夫
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「聖書の古代訳」 797~802頁 左近淑
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「聖書の翻訳(各国近代・現代訳)」 814~824頁 関谷定夫
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「聖書の翻訳(邦訳・口語聖書)」 824~827頁 馬場嘉市
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「聖書考古学」 773~783頁 左近義慈
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「聖書批判研究(旧約)」 827~828頁 木田献一
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「聖書批判研究(新約)」 828~829頁 佐竹明
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「聖書解釈史」 768~773頁 熊野義孝
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「聖書神学(旧約)」 783~786頁 船水衛司
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「聖書神学(新約)」 786~788頁 竹森満佐一
『新共同訳 旧約聖書注解3』(日本キリスト教団出版局、1993年)の項目より
『キリスト教神学事典』(教文館、2005年〔新装版〕)の項目より
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「聖書正典」 380~381頁 R. P. C. Hanson
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「外典」 86~87頁 Henry McKeating
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「新約聖書外典」 355~356頁 Kenneth Grayston
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「聖書批評学」 382~385頁 John Bowden
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「史的批評」 267~270頁 Dennis Nineham
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「様式史的研究」 577~578頁 Henry McKeating
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「文学批評」 526~527頁 John Bowden
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「物語の神学」 564~565頁 John Bowden
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「黙示文学」 562頁 John Habgood
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「釈義」 274~277頁 Raymond F. Collins
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「解釈学」 79~82頁 Lewis S. Mudge
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「解釈学的循環」 82~83頁 Lewis S. Mudge
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「聖書解釈法」 376~377頁 G. R. Evans
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「意味論」 56~57頁 James Barr
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「寓喩と予型論」 193~196頁 James Barr
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「隠喩」 59~60頁 Sallie McFague
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「譬え話」 432~433頁 Sallie McFague
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「非神話化」 494~495頁 John Macquarrie
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「構造主義」 226~228頁 Raymond F. Collins
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「聖書神学」 378~380頁 J. L. Houlden
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「旧約聖書神学」 141~148頁 Norman W. Porteous / Ronald Clements
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「新約聖書神学」 356~362頁 John A. Ziesler
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「救済史」 139頁 J. C. O'Neill
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「神の国」 109~111頁 Eric J. Sarpe
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「選び」 72~73頁 Rupert Davies
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「契約」 209~210頁 R. E. Clements
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「預言」 580~582頁 Robert P. R. Murray
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「約束と成就」 566頁 Robert P. R. Murray
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「復活」 507~509頁 C. F. Evans
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「義」 126~127頁 John A. Ziesler
-
「義認」 134~136頁 Brian A. Gerrish
-
「信仰」 342~343頁 Keith W. Clements
-
「希望」 136~138頁 Jürgen Moltmann
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「愛」 15~17頁 Enda McDonagh
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「救い」 367~368頁 J. C. Fenton
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「福音」 505~506頁 Kenneth Grayston
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「ケリュグマ」 214頁 C. F. Evans
『現代キリスト教神学思想事典』(新教出版社、2001年)の項目より
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「聖書批評学と解釈学(旧約)」 310~317頁 John Barton
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「聖書批評学と解釈学(新約)」 317~326頁 Francis Watson
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「史的イエスの探究」 210~217頁 Richard T. France
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「文学と神学」 573~577頁 David Jasper
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「物語の神学」 641~644頁 L. Gregory Jones
-
「神の国:新約聖書」 74~78頁 Richard T. France
-
「復活」 495~499頁 Gerald O'Collins
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