第49土曜 ダニエル書11章〜12章



【祈り】

[1] 主の祈り

【聖書通読のたすけ】

【11章】

 4節までは、ペルシャとギリシャの争いについて預言されています。特に「ひとりの勇敢な王」(3節)は、ギリシャのアレキサンダー王であると考えられます。また、19節までは、アレキサンダー王以降、分裂した4つの王国のうち、特に「南の王」(エジプト)と「北の王」(シリア)に焦点が絞られ、それぞれの歴代の王に対する詳細な預言が展開されています。旧約聖書において、特にイスラエル以外の国に対する、これほど細部にわたる預言は例を見ないことです。
 さらに、21節からはシリアの「アンティオコス・エピファネス」(21節「ひとりの卑劣な者」)の2度にわたるエジプトへの侵略が述べられ、また30節以降は、彼の神の民に対する迫害とエルサレム神殿に対する汚しについて記されています。40節以降の描写は、アンティオコス・エピファネスに対する預言であるとともに、終末における反キリストについての言及ととらえることもできます。そして最後に反キリストは滅ぼされ、神の国の最終的な勝利が約束されています。
■ 黙想の視点 ■
1. 未来に起こる詳細な歴史的事実を確かな幻として与え、また終わりの時が来ることを宣言される主を黙想しましょう。
2. 南北の王の争いに代表される、絶えることのないこの世の権力争いから何を教えられますか。
3. この世の王たちによる迫害のなかで、信仰者はどのように生きるべきでしょうか。

【12章】

 「かつてなかったほどの苦難の時が来る」(1節)との宣告のなかで、しかし、いのちの書に記されている者の救いと、やがての復活が示唆されています(2節)。この箇所は、旧約聖書のなかでもっとも明確に聖徒たちの復活について述べられているところと言えます。
 5節以降は、ダニエル書のまとめとも言える箇所です。「この不思議なことは、いつになって終わるのですか」(6節)、「この終わりは、どうなるのでしょう」(8節)とのダニエルの問いかけに対して、「亜麻布の衣を着た人」(6・7節。御子キリスト)は、「それは、ひと時とふた時と半時」であり、また「1,290日」(11節)、「1,335日」(12節)であると、その苦難と試練の期間に確かな終わりがあることを宣言されます。そして、ダニエルに対して「あなたは終わりまで歩み、休みに入れ。あなたは時の終わりに、あなたの割り当て地に立つ」(13節)と、ダニエルに与えられた確かな安息と報いを言い渡されます。
■ 黙想の視点 ■
1. 復活の預言は、ダニエルをはじめ、イスラエルの民にとってどのような励ましとなったでしょうか。
2. 私たちは「かつてなかったほどの苦難の時」にどのように備えるべきでしょうか。また、終わりの時を覚えて忍耐するべきことは何でしょうか。
3. 人生の真の幸いとは何でしょうか。主が約束されている終わりの日の祝福について黙想しましょう。


【信仰告白】

[2] 使徒信条