第49木曜 ダニエル書7章〜8章



【祈り】

[1] 主の祈り

【聖書通読のたすけ】

【7章】

■ 幻の内容 ■
 この章の幻は、続く8章以下との関わりと同時に、2章(ネブカデネザルの夢)とも関連しています。幻に登場する4頭の獣は、それぞれ獅子・鷲、熊、ひょう、10本の角をもつ強力な獣、として表現されています。一方、「年を経た方」「さばく方」(9・10・13節)、「人の子のような方」(13節)は、それぞれ裁き主なる神ご自身、そしてメシヤ(キリスト)を指し示しています。そして、さばく方が座に着くと(9・10節)、獣は滅ぼされ、人の子に主権と光栄と国が与えられ、諸国民はことごとく彼に仕え、その国は永遠に滅ぼされることがないのです(14節)。
■ 幻の解釈 ■
 ダニエルは、その幻を見て思い悩み、御使いの一人に解き明かしを願います。特に、4番目の獣について、より詳細な解き明かしを求めます。4頭の獣は4人の王(国)であり(17・23節)、4番目の獣の10の角は、この国から立つ10人の王であることが告げられます(24節)。2章、そして続く8章と重ね合わせるならば、これらの4人の王(国)は、バビロン、ペルシャ、ギリシャ、ローマと考えることができるでしょう。さらに、もう1本の小さな角(8,20節)とは、そのあとに立つ1人の王であることが明らかにされます(24節)。この王は、さきの3人の王を打ち倒し、聖徒たちをも滅ぼし尽くそうとします(25節)。聖徒たちは、神の許しのなかでしばらくの間、その王の手にゆだねられますが(25節)、やがてさばきの時が来て、王(国)は滅ぼされ、国は神の主権のもとに置かれ、聖徒はメシヤ(キリスト)とともにその国を支配することが示唆されています(27節)。
■ 黙想の視点 ■
1. 4頭の獣に象徴される試練や試みについて、キリスト者として、現在の自分の置かれている状況で、何か重なり合うことがあるでしょうか。
2. 幻を見たダニエルの様子(特に28節)から教えられることは何でしょうか。
3. キリスト者に約束されている最終的な結末はどのようなものでしょうか。また、その約束を信じる者として、どのように今を生きるべきでしょうか。

【8章】

■ 幻の内容 ■
 この章の幻は、7章の幻の2年後に与えられました(1節)。2本の角の雄羊(3節)は、西、北、南に突き進み、高ぶっています。一方、目立った角を持つ雄やぎが現れ、雄羊を打ち滅ぼします(7節)が、著しく目立つ角は折れてしまいます。そこから目立った4つの角が生え、そのうちの1本から、また別の小さな角が芽を出し、非常に大きくなります(9節)。それは天の軍勢に達し、軍勢の長にまでのし上がり、聖所と軍勢をも踏みにじりますが、2,300の夕と朝が過ぎると、そのとき聖所はその権利を取り戻します(13〜14節)。
■ 幻の解釈 ■
 ダニエルはこの幻を見たとき、その意味を悟りたいと願います。そのとき、人間のようにみえる者(御使いガブリエル)が「その幻は、終わりの時のことである」ことを告げ、ダニエルは、その声を聞くと意識を失い倒れますが、ガブリエルは手を取り立ち上がらせて、幻の内容を明らかにされます。
 2本の角の雄羊はメド・ペルシャ帝国を表し、より長い角はペルシャを示しています(20節)。また、雄やぎはギリシャ帝国で、著しく目立つ角はアレクサンドロス大王のことです(21節)。雄やぎは雄羊を攻撃し滅ぼしますが、角は折れ(アレクサンドロスの急死)、そこからマケドニア、シリア、メソポタミア、エジプトの分割統治(4つの角)となります。1本の小さな角は、シリアのセレウコス王朝から出るアンティオコス・エピファネスを指すと考えられます(23節)。彼は異教の祭壇を築き、常句のささげものを禁じることにより神殿を冒涜します(13節)が、2,300の夕と朝の後(朝夕の常句のささげもののこと。したがって、日数としてはその半分、約3年半ということになります)、彼は人手によらず砕かれます。
■ 黙想の視点 ■
1. 雄やぎの大きな角は、「その強くなったときに」折れました。ここから教えられることは何でしょうか。
2. 当時のダニエルには「秘めて」おくように命じられましたが、現代に生きる私たちは、福音の奥義をどのように証しすべきでしょうか。
3. 「聖徒の民を滅ぼす」ほどの横暴な支配者から受ける迫害に対して、私たちはどのように備えるべきでしょうか。


【信仰告白】

[2] 使徒信条