この3つの章では、神の都エルサレム、すなわちシオンの栄光と豊かさが語られている。60章1〜18節は、神の都が栄光に輝いている姿が描かれている。そして19〜22節では、太陽や月などに優る主の栄光のゆえに、被造物により頼む必要がない状態を描いている。それは終末に完成する新天新地を描写しているようでもある。
61章では、より具体的な解放が描かれている。ここでの良い知らせの告知者はおそらく「しもべ」自身であろう。というのは、「しもべ」なるイエス・キリストによって、1〜2節がご自身の働きとして引用されているからである(ルカ4章18節)。またマタイ5章の山上の説教の「8つの祝福」も、この61章が下敷きとなっている。イザヤが預言した新しい世界は、まさにキリストによって開始されたのである。
62章では、シオンの新しい栄光の姿が記され(1〜5節)、祈りに答えて主が守られることが確言され(6〜9節)、そして贖い主がシオンに到来することが高らかに宣言される(10〜12節)。