インマヌエル説教と呼ばれる部分の最後に位置しているのが11〜12章であり、ここにメシア預言があります。
11章1節で、「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ」と記されています。「根株」というのは切株のことです。太い幹に成長した大木が斧で伐採される。根元に斧が入れられるということは、その木にとって瀕死の状態に陥ることを意味しますが、神様はその絶望のなかから新しい芽を生えさせるというのです。
しかも、2節に「その上に、主の霊がとどまる。それは知恵と悟りの霊、はかりごとと能力の霊、主を知る知識と主を恐れる霊である」とあり、メシアが真実に主を知り、主に従う存在であることが示されています。
そのメシアの王としての働き(3〜5節)、支配する世界の様子(6〜9節)、メシア到来によって人々が集まり(10節)、やがて一つの民として新しくまとめてくださる(11〜16節)ことが記されます。そして、12章はメシア到来による救いの御業を賛美する内容となり、そこでは信仰にとって要となる神を信頼する思いが豊かに表わされています。
13章から次のテーマへと入り、諸外国へのメッセージが語られます。13章は、続く14章23節までと合わせて、バビロンに対するメッセージです。「主の日」(6・9節)、「残酷な日」(9節)、「怒りの日」(13節)、「その日」(22節)という表現から、神様が裁きをなされる「時」が必ずあることを思わせると同時に、神の主権が全世界に及んでいることをも覚えることができます。