第35日曜 詩篇113篇〜118篇
【祈り】
【聖書通読のたすけ】
「身を低くしてくださる神」
113〜118篇は「ハレルヤ*1 詩篇」と呼ばれ、現代でもユダヤ教の祭りの多くで朗読されています。またキリスト教会においてもイースター*2 の夕礼拝で用いられてきました(113・114・118篇)。
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【113篇】
羽鳥氏は、この詩篇を「灰捨て場の福音」と呼びました。「主は、弱い者をちりから起こし、貧しい人をあくたから引き上げ」(7節)、身を低くして救ってくださる神様に感謝し、賛美の叫びをあげるのです。「ハレルヤ!」と。
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【114篇】
この詩篇の主題は「出エジプト」と言われています。「海は見て逃げ去り、ヨルダン川はさかさに流れ」(3節)、あろうはずのないと思われることが、神様によって起こります。こういった奇跡を信じることのできない根本には、「岩」(8節)のように堅い心があるのかもしれません。
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【115篇】
過越の食事*3 の終わりに歌われた詩篇です。偶像とそれを造り信頼する者のあわれ、そして生ける神である主*4 を信頼することのすばらしさが記されています。
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【116篇】
聖公会*5 では、出産後の感謝式でこの詩篇が読まれたそうです。苦しみのむこうにあるいのち、悩みのむこうある救い、困難を通った信仰者は叫びます。「ハレルヤ!」と。
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【117篇】
学生時代、この詩篇は「最も小さく、最も大きい歌である」と学びました。文章としては最も短い詩篇ですが、その意味するところは全世界「すべての国々」「すべての民」(1節)を巻き込む大賛美です。ハレルヤ!
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【118篇】
この詩篇は、宗教改革者ルター*6 の愛唱詩篇として知られています。「おまえは、私をひどく押して倒そうとしたが、主が私を助けられた」(13節)。人ではない神様の助けを歌い、25節以降は、メシヤ*7 の到来を求める祈りとなっています。
【注】
*1 ヘブル語で「神をほめたたえる」の意。
*2 復活節のこと。イエス・キリストの復活を記念する日。
*3 ユダヤ教三大祭の1つ。詳しくは出エジプト記12章1〜14節を見よ。
*4 新改訳で太字の「主」と訳される主の御名。原語の発音は不明で、「ヤハウェ」など諸説ある。
*5 イギリス国教会(プロテスタント:新教)
*6 Martin Luther (1483-1546)
*7 へブル語で「油注がれた者」の意。救い主を指す。
【信仰告白】