第28木曜 ネヘミヤ記12章〜13章



【祈り】

[1] 主の祈り

【聖書通読のたすけ】

【12章】

 城壁の再建が終わり、民の宗教生活の基本的な枠組みも設定され、いよいよ城壁の奉献式が盛大に行われます。その前に祭司・レビ人のリストが置かれているのは、礼拝や祭りを司る人々の重要性を示しているのでしょう。
 ついに城壁を神様にささげる日がやってきました。まず準備として人々と城壁と門とがきよめられます。そして奉献式のプログラムのなかでも圧巻なのは、二組の聖歌隊による城壁一周の行進でした。それはまことに城壁の完成を象徴するにふさわしい行事だったと言えます。二組の聖歌隊は神の宮で一つとなり、それに女や子どもたちも加わって神殿の広場での大賛美、大合唱が行われました。その喜びの歌はエルサレムから遠くの地まで聞こえました。
 城壁の奉献式は、大きな喜びに包まれて終わります。ネヘミヤの帰還に始まって城壁再建工事の開始とその完成、そして奉献式に至るまでの波瀾に富んだ日々の後に、平凡な生活の繰り返しという日常がやってきました。民はその平凡な日々のなかで、喜びをもって信仰生活を継続するという次なる戦いに出発していったのです。

【13章】

 城壁再建と民の再出発というネヘミヤの目的は果たされました。13章には、その後の付加的挿話がいくつか記されています。それらは城壁が完成してから十数年後の出来事で、民のなかに残されていた次のような悪癖の改革でした。(1) 混血者の分離(1〜3節)、(2) トビヤの追放(4〜9節)、(3) レビ人の処遇の解決(10〜14節)、(4) 安息日の厳守(15〜22節)、(5) 雑婚の非難(23〜29節)、(6) ネヘミヤの働きのまとめと祈り(30〜31節)。
 13章に記されている状態を見ると、事態は一向に良くならず、それまでのネヘミヤの宗教改革は何の効果もなかったように感じられるかもしれません。しかし改革というものは、一回の画期的出来事で完成するものではなく、根気強くかつ妥協することのない永続的な取り組みによってようやく徹底するものであることを心に留める必要があります。そしてこの13章からも、ネヘミヤの活動の原動力は祈りであったことがよく分かります。エルサレムの城壁再建のために召された指導者ネヘミヤは、いつも神様に祈りながら新しい時代の訪れを待望し続けたのでした。


【信仰告白】

[2] 使徒信条