城壁が再建されたエルサレムの町に新たな秩序を確立するため、ネヘミヤは人を任命し指示を与えます。そしてネヘミヤは、人口不足の問題に取り組み、人口調査を行う決心をしました。その段階で、約100年前にエルサレムに帰還した人々の系図を発見します。この帰還者リストはエズラ記2章のリストとほとんど同じものです。
8章では、律法朗読とそれに伴う事柄が報告されます。城壁が完成したのは、エルルの月、すなわち第6の月の25日ですが(6章15節)、次の第7の月は、ユダヤ人にとって大切な祭りが並んでいる月でした。第7の月の第1日は、政治歴の年の初めで、ラッパを吹き鳴らして聖なる会合を開く日と定められていました。また第15日から一週間は仮庵の祭り、そして第22日はきよめの集会となっていました。
その第7の月の第1日が近づくと、民はみな集ってきました。そしてその日、祭司であり学者でもあるエズラが律法を朗読しました。エズラは城壁建設中どこにいたのでしょうか。もしかしたら学校で律法の研究と教育に専念していたのかもしれません。律法はヘブル語で記されており、彼らはそれに耳を傾けました。しかし多くの人たちはヘブル語を理解できなかったと思われます。そこでレビ人が律法を解き明かしたのでしょう。それはアラム語への通訳か、アラム語での説明だったかもしれません。人々は読まれた律法を理解しました。そしてその結果、自分たちの罪を示されていきます。聖書の朗読を中心にした今日のプロテスタント教会の礼拝の原型を、ここに見ることができます。民はみな教えられたことを理解して、大いに喜びました。
さらに彼らは仮庵の祭りの正しい守り方を律法のなかに発見しました。そして捕囚から帰った全集団は、仮庵の祭りを忠実に行い、そこでは律法が毎日朗読されました。律法を守ることにおいては、個人的な事柄よりもむしろ共同体の祭りがまず実行に移されたのです。ここには注目すべき真理があります。信仰は共同体の礼拝によって育成されていくものなのです。