保護者=お目付役のエホヤダ(ヨヤダ)の存命中は、主に従う道を歩んでいたヨアシュでありました。エホヤダの指導の下、ヨアシュは神殿の補修と、その資金調達に奔走します(24章4〜14節)。しかしながら、エホヤダの死後、ヨアシュは偶像崇拝に走ります(24章17〜18節)。彼を戒めるために、主から遣わされた預言者ゼカリヤを、ヨアシュは殺害してしまいます(24章19〜21節)。このゼカリヤは、ヨアシュを育ててくれたエホヤダの実子です(24章22節)。おそらく、小さい頃から兄弟のように育った2人ではなかったのでしょうか。
ちなみに、マタイ23章35節、およびルカ11章51節に記されている、「アベルの血からザカリヤ(ゼカリヤ)の血まで」というザカリヤは、このエホヤダの子ゼカリヤのことです。カインとアベルの物語は、創世記の記述。エホヤダの子ゼカリヤの物語は、歴代誌の記述。そして、ヘブライ語聖書の並びでは本来歴代誌が最後の書物になっておりますので、ここで言われているのは「旧約聖書の最初の殺人と最後の殺人」という意味です。
その後、ヨアシュは殺害され、その子アマツヤがダビデ王朝第10代国王(南北分断後から数えると、第8代ユダ国国王)に即位いたします。25章は、アマツヤの治世におけるユダ国の歴史です。主に、北イスラエル国との間の軋轢が記述されています。