ヨシャパテの死後、クーデターも起こらず、その子ヨラムが、ダビデ王朝第7代国王(南北分断後から数えると、第5代ユダ国国王)に就任いたします。彼の妻は、北イスラエル国の王家から嫁いできた、バアル崇拝者アハブ王の娘、アタルヤです(21章6節、22章2節)。彼女からの悪しき影響に感化されて、ヨラムは主に従わない転落への道を辿ります。最終的に彼は主からの裁きをその身に受けて、壮絶な最期を遂げるに至ります(21章18〜20節)。しかしながら、主なる神様の約束は変わることなく、ダビデ王朝は存続していきました(21章7節)。ヨラムの子、アハズヤが、ダビデ王朝第8代国王(南北分断後から数えると、第6代ユダ国国王)に就任いたします。彼もまた、アタルヤの影響のもと、父ヨラム同様に、主に従わない転落の人生を辿ります。
ヨラム、アハズヤ、と2代にわたって、南ユダ国は、アタルヤの影響のもと、「主に従わない道」、すなわち、親・北イスラエル国政策を採るようになりました。
南ユダ国王アハズヤは、母アタルヤの兄弟、すなわち自らのおじヨラムとタッグを組んで、再び、対アラム戦に乗り出します(22章5節)。このとき負傷したおじヨラムを見舞うため、アハズヤは北イスラエル国領土内に入ります。このとき北イスラエル国内で発生したクーデターに巻き込まれ、アハズヤは命を落とします(22章7〜9節。ちなみに、このとき発生したクーデターの詳細については、第二列王8章25節〜9章37節を参照)。
親・北イスラエル国政策を逆行させる、「主にある一致」という志を持つ者がユダ国国王に即位することを阻止するため、わが子アハズヤを失ったアタルヤは、ユダの王家の者を皆殺しにせんと、大虐殺を実行します(22章10節)。その後、アタルヤは、自らが南ユダ国の女王に即位します。かくして、途絶えてしまったかに思えたダビデの血筋でありましたが、唯一の生き残り、ヨアシュが神殿に保護されます(22章11〜12節)。主なる神様の約束は、ここでも変わることなく続いていくのでした。この後、ダビデ王朝はしばしアンダーグランドに潜ります。
6年後、7歳になったヨアシュを即位させんと、ヨアシュの保護者、祭司エホヤダ(ヨヤダ)は立ち上がり、クーデターを勃発させます。
女王アタルヤは処刑され、ヨアシュは、ダビデ王朝第9代国王(南北分断後から数えると、第7代ユダ国国王)に即位いたします。ダビデ王朝の復活です。