第21金曜 列王記第一22章



【祈り】

[1] 主の祈り

【聖書通読のたすけ】

【22章1〜4節】 ラモテ・ギルアデの戦い

 イスラエルの東の境界線の町ラモテ・ギルアデは、戦略上、宗教上、重要な地であり、かつてアラムの王ベン・ハダデが戦いに敗れた際「お返しします」とアハブに約束した町であった(第一列王20章34節)。しかしその後3年が経過しても一向に町は戻ってこない。怒りを募らせたアハブは決断に出る。南ユダの王ヨシャパテがアハブのもとを訪ねた際、この時とばかりにアラムへの合同攻撃を提案する。
 ヨシャパテはまず主のことばを伺いたいと述べる(5節)。その申し出により、多くの預言者たちが、サマリヤの門の入口に集まってきた。

【22章5〜28節】 偽預言者とミカヤ

 偽預言者は、自分が偽者だと気づかぬ点で悲劇である。王の気を悪くせぬようにとおもねる動機もあるが、彼らは自分が主のことばを本当に受けているものと錯覚していた。
 預言者ミカヤはそのような悲惨な状態をも預言する。彼はまず王が喜びそうな言葉を述べる(15節)。アハブはミカヤが本心から預言していないと気づき、真実だけを語るよう促す(16節)。それでミカヤは、イスラエルの霊的状態を伝え、さらに現状のイスラエルは惑わしの霊によって遣わされた偽預言者のことばを通して敗北に至る道を進んでいると語った。15節の振る舞いは、この状態を預言したものであり、偽りではない。

【22章29〜40節】 あわれなアハブ

 アハブは、ミカヤを牢につなぎ、無事に帰って彼の預言が誤っていたことを証明しようと意気込んだ。しかし、アハブの取った卑劣な変装行為は、彼がゼデキヤに代表されるおかかえ預言者集団の言葉にも信頼をおけずにいる、哀れな姿を露呈している。
 戦いの結果、敵の兵士が何気なく放った弓によって、アハブの命は尽きる。彼の死に様は預言の成就を指し示す(21章19節)。彼の変装は全く役に立たず、ただ主のことばのみが実現したのである。神のことばを基軸に置かぬ者の末路がここにある。

【22章41〜53節】 ヨシャパテとアハズヤ

 南の王ヨシャパテと、北の王アハズヤの紹介が続く。ヨシャパテが主の道から逸れることがなかったのに対し、アハブの子アハズヤは、父と母の道、ヤロブアムの道に歩み、バアルの崇拝者であったという記述で終わっている。
 ヨシャパテは分裂王国時代に入ってから、初めて北王国のアハブ王と友好関係を結び、アハブの子アハズヤの時代になっても、その関係が継続されていたことが49節から分かる。事実ヨシャパテの息子はアハブの娘と結婚した(第二列王8章18節)。ここにユダ王国の堕落を予感させる影が見える。政治手腕に長け、しかし信仰的には全く的外れであったアハブの存在は、北イスラエル王国だけでなく、南ユダにも影響を与えていくのである。


【信仰告白】

[2] 使徒信条