ダビデの死がいよいよ近づき、最後にダビデは次の王となるソロモンに遺言を託して亡くなりました。そしてダビデに代わってソロモンが王となりました。ソロモン王になってからの最初の頃の出来事として、王の地位が確立する上で、妨げとなる恐れのある3人の死が記されています。アドニヤはバテ・シェバに願った言葉から死を招き、ヨアブとシムイはダビデの遺言との関連で死を迎えます。こうしてソロモン王の力は国内において確かなものとされていきます。
ダビデは死を前にして次の王であるソロモンに助言を与えます。王権の確立のために政治的な事柄も話しますが、まずダビデがソロモンに語ったことは、「主の道を歩まなければならない」(2章3節)ということでした。私たちも子どもや次の世代にまず語らなければならないことは、この世の知恵や処世術ではなく、「主の道を歩まなければならない」ことです。
アドニヤがアビシャグを求めたのは王位を求めてのことである、と受けとめられました。ダビデ王に仕えたアビシャグを求めたことは、明らかに誤解を招く行為であったと言えるでしょう。私たちは、むやみに人に誤解を与えるような言動によって、周りの人に不安を与えていないでしょうか。誤解から人間関係のトラブルに巻き込まれることは避けられませんが、自らが煽るべきではありません。
シムイは王との約束を守らなかったために死にました。人は約束をしてもしばらくすると忘れることが多いものです。あるいは、時間が経つと「少しくらいなら」と約束を軽視するようになることもあります。過去にした大事な約束は守られているでしょうか。また、年月が経っていたとしても、その約束に対して忠実さを持っているでしょうか。