アヒトフェルは、ダビデ追討の速攻作戦を打ち出した。それはまさに完璧とも思える作戦であった。しかし、アブシャロムはフシャイに助言を求め、その助言が気に入ると、アヒトフェルのことばを受け入れなかった。フシャイの作戦がアヒトフェルを上回る完璧な作戦だったからではない。おそらく、第一段階の成功で自信がつき、フシャイの雄弁な心理作戦に乗せられたのだろう。アブシャロムはこの選択を誤り、アヒトフェルを退けたことで、滅亡へと走り出していった。
ダビデとアブシャロムの戦いは、敗戦そしてアブシャロムの不名誉な死をもって終わる。ダビデ軍の勝利となったが、子を失ったダビデは泣き悲しみ落胆した。
11章のバテ・シェバ事件のとき、「主もまた、あなたの罪を見過ごしてくださった。あなたは死なない」との神の赦しがあまりにもあっけないと思ったかもしれない。しかし「あなたはこのことによって、主の敵に大いに侮りの心を起こさせたので、あなたに生まれる子は必ず死ぬ」のことばは、バテ・シェバの子だけではなく、アムノン、アブシャロムにまで及んでいた。
神のことばはすべて真実であり、必ず成就する。私たちが手にしているこの聖書は、すべて神のことばである。