ダビデはアドラムのほら穴に逃れてきた。そこへダビデの兄弟たちや親族、そしていろいろな事情で困っている人たちもやって来て、ダビデは約400人ほどの指導者になった。ダビデは両親をモアブの王のもとに預け、自らは預言者ガドのことばに従って、サウル王の支配するユダの地に帰って行った。
サウルは、ダビデの逃亡を祭司アヒメレクが助けたことを知り、アヒメレクが住むノブの町の祭司たちを皆殺しにした。しかし、アヒメレクの息子エブヤタルは難を免れ、ダビデのもとに逃げ込んだ。彼はダビデの祭司として仕えることになる。
ダビデのもとに、ペリシテ人がケイラを攻めているという知らせが入った。ダビデが主にみこころを伺うと、「ペリシテ人を打ち、ケイラを救うように」ということだった。ダビデはそれに従いケイラを救った。そこにサウルがダビデを捕らえようとやってきた。ダビデはケイラから逃れ、ジフの荒野のホレシュとどまった。そこにヨナタンが会いにきた。ダビデがそこにいることがサウルに知られたので、ダビデはそこからマオンの荒野に行った。サウルがダビデを追って来たが、そのときペリシテが侵入したことがサウルに告げられたので、サウルはダビデを負うことをあきらめ帰っていった。ダビデは救われたのであった。
エン・ゲディの荒野にある洞穴に、ダビデたちは潜んでいた。それとは知らず、ダビデを追ってきたサウルがその洞穴に用をたすために入ってきた。「今こそ、主があなたに、サウルのいのちを渡された時です」という部下のことばに、ダビデは剣を手に立ち上がったが、サウルの上着のすそを切るだけにとどめた。ダビデは、主に油注がれた王に手をかけようとしたことに心を痛めた。
洞穴から出たサウルに、ダビデはサウルの上着のすそを切り取ったことと、サウルを殺さないことを告げた。ダビデは一切を神の御手にゆだねたのである。これを聞いたサウルは、ダビデが王になることを確信し、そうなった時に自分の子孫が根絶やしにされないよう主に誓うことを頼んだ。ダビデは誓い、サウルは家に帰って行った。