ゴリヤテに勝利した後、ダビデの心とサウル王の子ヨナタンの心が結ばれ、ヨナタンは「自分と同じほどにダビデを愛した」と言われるような友情を築いた。
ダビデはその後、サウル王の戦士たちの長として、行く所どこにおいても勝利を収め、サウルの家来たちと民たちの人気を得ていった。それを知ったサウル王は、ダビデに嫉妬と疑いの目を向けるようになり、ダビデを殺そうと、サウルにわざわいの霊が襲った時、それを静めるために立琴を弾くダビデに槍を投げつけた。それでもダビデはサウルに従い、戦場に出ては勝利を収めるのだった。ダビデの人気は高まるばかりだった。
サウルは、ゴリヤテとの戦いに勝利した者を婿にするという約束を、ダビデに果たさないままでいた。それでサウルは、ダビデにペリシテとの戦いに行かせ、そこでダビデを殺させようとした。ダビデはこれも難なく果たし、サウルの娘ミカルを妻として迎えた。
ダビデは、サウルが自分を殺そうとしていることをヨナタンや家来たちに告げた。しかし、ヨナタンはダビデを愛しており、サウルにとりなしたため、とりあえずダビデはサウルのもとに帰ってきた。ダビデはペリシテとの戦いに出て大勝利をあげた。またもサウルにわざわいの霊が臨んだ。サウルを慰めるために立琴を弾いているダビデに、サウルはそばにあった槍を再び投げつけた。
サウルの追及は、ダビデの家にまで向かった。妻ミカルの機転によって逃れたダビデは、サムエルが住むラマに逃れた。サウルはダビデを捕らえようとして、使者をサムエルのところに3度遣わした。遣わされた者たちはみな神の霊によって預言する者となり、ダビデを捕らえることができなかった。4度目にサウルがラマに赴いたが、サウルにも神の霊が臨み、預言者のようになってしまい、ダビデを捕らえることができなかった。