神はサムエルを通してサウルに、アマレクとの戦いに出るように、そして戦いで得た戦利品はすべて神のものとして絶ち滅ぼす(聖絶する)ように命じられた。サウルはアマレクとの戦いに勝利したが、神の命令に従わなかった。神はサムエルをサウルの陣に送った。
サムエルが着くと、そこはペリシテから奪った牛や羊で満ちていた。サムエルはサウルに「なぜあなたは神の命令に背いて、これらの家畜を生かしておいたのか」と詰問した。サウルは恥じることなく、「主にささげるために生かしておいた」と答えた。サムエルはサウルに告げた。「神のことばに従うことが大切である。神はいけにえよりも神に聞き従うことを喜ばれる。あなたは神のことばを退けたので、神はあなたの王位を退けた」。
サウルはサムエルに赦しを請うたが、聞き入れられなかった。サウルは、神のことばに聞き従わなかった罪のため、王位から退けられることが決定的となった。これは、サムエルにとっても、神にとっても悲しみとなった。
神はエッサイの息子を王にすることをサムエルに告げた。サムエルはベツレヘムを訪ね、エッサイとその息子たちを招いた。エッサイは連れて来た息子たちをサムエルに紹介した。長男のエリアブを見た時、サムエルは「確かにこの者こそ王に選ばれた者だ」と思ったが、神は「彼の容貌や、背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人はうわべを見るが、主は心を見る」と言って、エリアブを退けた。サムエルは、次男、三男と、7人の息子をエッサイから紹介されたが、いずれも神が選んでいないことを知った。サムエルは、ここにはいない末子のダビデを連れて来させた。神はダビデが来た時「さあ、この者に油を注げ。この者がそれだ」とサムエルに言われた。サムエルはダビデに油を注ぐと、主の霊が激しくダビデに下った。
一方、サウルからは主の霊が離れ、主からの、わざわいの霊がサウルを脅えさせた。ダビデは、サウルがわざわいの霊に脅えさせられた時に、立琴を弾く者として召し出された。ダビデは、サウルから愛され、サウルの道具持ちとして働くことになった。以来、サウルがわざわいの霊に襲われた時、ダビデは立琴を弾いてサウルを慰めた。