34章には約束の地カナンの境界と分割について、また、35章前半にはレビ族の居住地についての指示がある。そして、民数記最後の36章には、婦人による相続の規定がなされている。
かつて、2回目の人口調査の後、マナセ部族のツェロフハデの娘たちが訴えた。男子をもうけずに荒野で死んだ父の名が氏族から削られることのないよう、自分たちにも所有地を与えてほしい、と。そのとき主は、娘たちの相続を許された(27章1〜11節)。
今、ここでマナセ部族のかしらたちが訴えているのは、この娘たちが他の部族に嫁いだ場合、その相続地も嫁ぎ先の部族の所有に移り、自分たちの部族の土地が差し引かれてしまうという問題であった。これを受け、神は、娘たちの嫁ぎ先を父親の部族に属する氏族に限定し、その相続地が他の部族に移らないようにされた。
イスラエルの民は、神から譲り受ける自らの相続地を非常に大切にした。
民数記は「荒野にて」という書物の名のとおり、荒野の旅路の記録であるが、最後の部分は約束の地カナンの相続について教えている。主イエスは、私たちに天の御国の住まいをご用意くださっている(ヨハネ14章2節)。「私たちの国籍は天にある」(ピリピ3章20節)と告白し、荒野の旅路を主とともに精一杯歩みたい。