パウロの宣教の旅は続きます。「キリストの福音をくまなく伝えました」(19節)、「キリストの御名がまだ語られていない所に福音を宣べ伝えることを切に求めたのです」(20節)。すべての民が神様の前に礼拝する時を待ち望み、ありとあらゆる人々に福音を届け、ひとつの目標に踏みとどまらず、さらに先を目指し、可能な限り教会建設、伝道事業を推し進めていたことがうかがい知れます。この大事業を成し得たのはもちろん、パウロが主の御恵みへの応答であり、任務を果たしたいという熱心であったことは云うまでもないことですが、背後にある支援も欠かせない、ということを抜かしては語れません。
伝道者としての役割を果たすときに、最も辛く、言い出せないことは自分の魂や生活が困窮している状態です。自分が進めようとしている伝道の計画が受けいれてもらえるかどうか、という不安もあります。才能あふれるパウロですら、自分の計画を披露し、不安をさらけ出し、祈ってくださいと懇願しています。教える立場であるからこその試練が待ち受けています。伝道の背後には執り成しの祈りが必要です。伝道者が喜んで、思いを尽くして奉仕に励むことができるよう、伝道者、牧会者、同労者のために祈りましょう。