この章から具体的な生活態度についてパウロは提言していきます。そこでまず、あなた自身をささげなさい!と迫ります。しかもその献げものは「神に受け入れられる、聖い、生きた供え物」としてなのです。献げものとしてふさわしいかどうか、疑わしいものではないか、みこころに沿った献げものかどうか、善をわきまえる判断力が求められています。
自分自身を献げたならば、この世と妥協することなく、かえって心を新たにすることによって、継続的に造り変えられていくことを知ります。キリストに似たものにされていく、その過程を知ることになるわけです。一時的な献身ではすまされない、生きた、継続した献げものを謙遜に、愛をもって献げる信仰者の姿が浮かび上がってきます。
パウロは生活における様々なシーンを挙げて、模範になる言動の実行を促します。「悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい」(21節)と重要な秘訣を伝え、この章が結ばれます。生きた供え物として、悪を退ける最短の道は、生活を聖い、善い思いと行いとで満たしておくことではないでしょうか。常に主のそばに置いていただけるよう祈りましょう。