10章で、パウロが書いていることは、福音に応答すべき人間の責任についてです。神様は、だれにでも得ようと思えば得られる救いを提供してくださいました。ただし、人はその神様が提供してくださる救いの方法に従わなければなりません。神様が提供くださる救い方法は、行いによって自分自身の義を立てることではなく、へりくだって神様からそのまま義をいただくことです。つまりイエス・キリストを信じて、そのまま義としていただくことです。
神様は救われるために何か特別に難しいことを要求されているのではありません。救いを得るために必要なことは、イエス・キリストが十字架の贖いによって、すべて成し遂げてくださいました。人間の側で救いを得るために必要なことは、素直にそのキリストのみわざ、福音のみことばを信じることなのです。ですから、パウロは「主の御名を呼び求める者は、だれでも救われる」と、そのように言うのです。
しかし、この福音も、宣べ伝える人がいなければ、だれも福音を聞いて救われることができません。ですから、すべてのクリスチャンには、イエス・キリストの福音を伝える使命と責任があるのです。そして、その福音を聞く一人一人にも、福音に応答する責任が与えられているのです。つまり、福音を宣べ伝えるのも、またそれを聞いて信じる信じないのも、これは人間の側の責任なのです。
あなたがクリスチャンであるなら、あなたには福音を伝える責任があります。そして福音が語られているなら、それを聞いた人は、神の福音に応答する責任があるのです。