トロアスでの集会の記録は、初代教会のキリスト者たちがどのように礼拝し、交わりを持っていたかわかります。この頃すでに、キリスト者たちは「週の初めの日」に集まり、「パンを裂く」聖餐式をし(7節)、福音が語られるという集会が行われていました。このときは、翌日にパウロが出発することになっていたので、特別に別れを惜しんでの夜通しの礼拝、交わりが持たれました。
そのなかで、ユテコという青年が、昼間の労働の疲れや食後に長く続くパウロの話などで、つい眠り込んでしまい、腰をかけていた3階の窓から転落してしまいました。気絶ではありません。そのとき医者ルカも居合わせていたので、確かに死んだのです。
この記録は、礼拝中に眠ってはいけないという警告のためではないでしょう。この出来事は、私たちが主を礼拝するなかにも、同じことが起こっているのだということを覚えさせるものです。ユテコの姿こそ、神を礼拝する私たち自身なのです。古い自分は死に続け、新しくよみがえり続ける礼拝こそが、私たちの真の礼拝、キリスト者生活なのです。