第28土曜 使徒19:21-41



【祈り】

[1] 主の祈り

【聖書通読のたすけ】

【21〜22節】 パウロの決意

 パウロは、エペソで様々な困難に遭遇したが(第一コリント15章30〜32節、第二コリント1章8〜10節)、エペソでの宣教は進んで、終盤を迎え、パウロは自らの決意を表明して言った。「私はそこに行ってから、ローマも見なければならない」(21節)。これは、聖霊によって与えられた自らの使命を自覚し、それに従ったパウロの、決意表明である。世界の中心への宣教に命を賭ける決意であった。ローマは、本書における最終目的地、宣教の目的地である。まずエルサレムへ行って異邦人教会からの献金を届け、その後はローマを目指すことにした。パウロは、後にローマでテモテに手紙を書いて言った。「私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました」(第二テモテ4章7節)。

【23〜41節】 エペソにおけるアルテミスの騒動

 エペソには、アルテミス神殿があった。元来ギリシヤ神話の狩猟の神であるものが形を変え、豊穣の女神として祭られ、当時の世界の30箇所以上で礼拝がなされていた。神殿は、200年の歳月をかけて造られ、奥行103m、間口43mで、大理石円柱は100本あった。肥沃の象徴として多くの乳房、小果実の修環や全身に密生する動物は動植物の保護者を表わし、また、頭にかぶった冠に刻まれた3つの門のある城壁はエペソの守護神であることを示していた。神殿の存在によって多くの富が得られた。銀の神殿の模型を売る者もそうであった。ここでパウロが福音を語ったため、彼らとぶつかり、彼らは人々をも巻き込み、アルテミスの名を呼び出した。市の書記役が出てきて群集を静めたので、集会がやっと解散するに至った。
 私たちが宣教する対象である方々は、偶像礼拝をする方々が多い。そして、人数からするなら、そのような勢力の方が大きく力を持っている。私たちの宣教において、規模の大小はあっても、このような騒動や対立も起こり得る。私たちは、目に見える状況にではなく、見えないが実在するまことの神に全く信頼して、事に臨みたい。

* まとめ

 人生のなかで大切なことの一つは、すべきことを成し遂げるということである。そのためには、神から与えられた使命を自覚しなければならない。そして、神に従う決心をしなければならない。私たちも、御霊に導かれて自らの使命を自覚し、神に従おう!そして、「ローマも」(21節)と、宣教すべき人々の所へ出かけて行く決意をしよう!


【信仰告白】

[2] 使徒信条