使徒13章は、いよいよ世界宣教へと打って出るアンテオケ教会の姿です。世界宣教の始まりは礼拝からでした。聖霊がバルナバとサウロを選びます。使徒の働きは、これ以降、主にサウロ(パウロ)に焦点が向けられますが、しかしあくまで主人公は聖霊(神様)なのでした。
第一次伝道旅行と言われるこの旅は、バルナバとサウロ、そして助手としてマルコ(ヨハネ)が行います。まず向かった先は、バルナバの故郷であるキプロス島です。
キプロスでの伝道は大成功と言えるでしょう。なんと、地方総督のセルギオ・パウロが信仰に入ったというのです。影響力の強い地方総督が入信したということに、二大宣教師がどれだけ励まされたでしょうか。
蛇足ですが、当時の人は2つの名前を持っていることは一般的なことでした。サウロはユダヤ名。パウロはローマ名です。著者のルカは、これまでずっとユダヤ名でサウロと呼んでいたのが、このセルギオ・パウロが信じた時に合わせて、パウロと呼ぶようになります。以後、サウロはパウロです。
キプロスでの伝道を終えた一行は、ペルガ、ピシデヤのアンテオケと進みます。ペルガではマルコが離脱し、これは後々問題となるのですが、それは次週の通読となります。
ピシデヤのアンテオケでの伝道については、ユダヤ人向けの説教が記されています。聖書を知る者に対するパウロの説教。興味深く味わいたいと思います。
アンテオケ教会の宣教に対する熱心さと、その背後にある神様の熱心さを覚え、私たちも福音を伝える者となりたいと思います。