ルカの描写に注意しましょう。全世界、皇帝、シリヤ、総督、ナザレ、ベツレヘム、労働者夫婦、羊飼い。グーグルアースの地球儀から、一気に粗末な身なりの大工の夫婦と羊飼いへのズームアップです。この羊飼いは有名になり過ぎました。でも本当は誰も目もくれなかった荒野の移動生活者であり、その後もそうあり続けただけの人たちであったこと、その彼らが礼拝者第一号であったこと、忘れてはならないことでしょう。
貧しい者への福音、ということだけでなく、やはりこの彼らのうちにしかなかった何かに、神さまは心を留めてくださったのではないでしょうか。 天の軍勢の賛美の後、ただち行動し(15節)、急いで行って捜し出し(16節)、御使いの告知をためらわずに告げて分かち合い(17節)、あがめて賛美する(20節)彼らの心です。律法学者たちの議論の中にない素朴さや主をそのまま見上げる心と感じます。人が地の上の権力を求めるのは21世紀も同じです。また、教会では机上の議論も少なくありません。しかし、羊飼いは天を見上げていました。まず礼拝者としての心の備えを持たせていただきたいと思います。そこに、主の御心である、「神の栄光、地の平和」の実現に至る第一歩があるはずです。