普通の感情からいえば恐怖を抱くしかない出来事が連続する今日の箇所です。まず大自然の脅威であって、弟子たちの乗った湖上の舟を突風が襲います。主イエスは舟が水でいっぱいになっても舟の艫のほうで枕をして寝ておられました。弟子たちは悲鳴を上げます。人間は死を恐怖します。しかし主イエスは風と波をしかりつけ、大きな凪にしてしまい、弟子たちに「信仰がないのはどうしたことか」と言われます。弟子たちは大きな恐怖に包まれ、主イエスにますます心を向けるようになります。
ゲラサ人の地に入ってからは1人の悪霊憑きの存在がまず恐怖でしょう。いのちは生きるために使うはずなのに、この者は破壊のために用いています。汚れた霊とは、そのように矛盾に満ちた存在なのです。しかし主イエスはこの男を怖がらず、かえってこの男が主イエスに怯えるのです。たくさんの悪霊に憑かれた男は主イエスによって解放され、乗りうつった悪霊は2,000匹の豚を死なしめてしまいます。ゲラサ地方の人たちは、正気に返った人と、おぼれ死んだ豚を見て、主イエスに恐怖します。そしてこの地方から出て行ってくださいと願うのです。主イエスは去りますが、悪霊から解放された男が主イエスのことをゲラサ地方に言い広めはじめます。
主イエスは自然よりも悪霊よりも強く優れたお方です。主イエスによって大きな脅威から救われた者は、より敬虔になり、また主のみわざを証しする者となるでしょう。