第7火曜 マタイ27:45-66



【祈り】

[1] 主の祈り

【聖書通読のたすけ】

 イエスは午前9時に十字架につけられ(マルコ15章25節)、午後3時ごろ、息絶えました。全地が暗くなったのは、出エジプトの地で神が裁きのために下された暗黒と同様、罪に対する神のさばきの象徴です。イエスは十字架の上で7つの言葉を残されましたが、マタイによる福音書では「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか」(46節)のみ記されています。天の父との親密な交わりにあったイエスが見捨てられたのは、人の罪を背負い、のろわれた者となったからです。それでもなお、イエスは「わが神」と呼び、父に対する信頼を捨てませんでした。十字架の上でイエスの口から出た「完了した」(ヨハネ19章30節)という言葉は、私たち全ての人の罪のため贖いが達成されたことの宣言でした。イエスの死は、罪人が負うべき死刑の罰を代わって負われた「いけにえ」(ヘブル9章23〜28節)、人の罪に対する神の怒りを取り除く「なだめの供え物」(ローマ3章25節)、神と人の間にある壁を取り除く「和解」の行為(エペソ2章13〜16節)、束縛と不自由の状態から代価を払って解放する「贖い」なのです。

 イエスが息を引き取られたとき、3つの象徴的な現象が起こります。

  1. 神殿の幕が上から下まで裂けた
    神殿の幕は聖所と至聖所を仕切る幕であり、大祭司が年に一度、贖いの日にいけにえの動物の血を携えて、この幕を通って至聖所に入り、人々の罪を贖うことができました。しかし、イエスによる贖いが完成した今、神と人とを隔てていた幕は永遠に取り去られ、イエスを救い主と信じる私たちはキリストの血によって、大胆に神に近づくことができるのです。
  2. 地が揺れ動き、岩が避け、眠っていた聖徒たちが生き返った
    イエスの十字架は死に打ち勝ったことを示し、生き返らされた聖徒たちはその偉大な勝利を示しています。
  3. 百人隊長と兵士たちの信仰告白
    十字架から始まった一連の出来事は、異邦人である百人隊長とその兵士たちに恐れを与え、信仰告白へと導びきました。

 夕方になって、イエスの死体はイエスのひそかな弟子でありサンへドリンの議員である金持ちのヨセフによってひきとられました。イエスの体は、没薬とアロエを混ぜ合わせたもので塗られ、きれいな亜麻布で包まれ、ヨセフの新しい墓に葬られました。「彼は富む者とともに葬られた」(イザヤ53章9節)の預言が成就したのです。
 イエスが死なれた翌日、祭司長とパリサイ人たちは、イエスの弟子たちが死体を盗み出して「イエスが死者の中からよみがえった」と民衆に言うことを恐れ、ピラトのところへ集まり、墓の番をしてもらいたいと申し出ました。ピラトは墓の石に封印をして番兵に番をさせました。


【信仰告白】

[2] 使徒信条