24章で、その日が来る思いがけなさをお話になったイエス様は、次は天の御国について語られます。
25章1〜13節のともしびを持つ10人の娘たちのたとえは、やはりイエス様の来られる日の思いがけなさを語っているようです(13節)。予定よりも遅い時間(5節)。真夜中に到着する花婿。その中で輝くともしび。イエス様の話を聞いていた弟子たちのまぶたの裏には、暗闇とともしびの光の対比が効果的に映し出されたのではないでしょうか。この情景は、世の終わりの時の月も光を放たず星も天から落ちてしまう暗闇の世界(24章29節)に現れる、イエス様の「輝かしい栄光」(24章30節)の輝きにも似ています。
そしてイエス様は繰り返しおっしゃるのです。「目を覚ましていなさい。その日は、思いかげない時に来るのだから」(24章42節、44節、25章13節)。
続いてイエス様はタラントのたとえをお話になります。タラントを預かると「すぐに」(16節)仕事に着手し、「よほどたってから」(19節)帰ってくるご主人様の帰還までの長い間、ご主人様の所持金を管理する忠実なしもべ。このたとえのしもべの姿には、これまでの忠実な僕のたとえ(24章45節)と、長い間その準備をして待つともしびを持った娘たちのたとえが総括されているかのようです。